まちの片隅から未来の賑わいを発信するアートな道

賑わいあふれる洗練されたまち自由が丘に、新たに個性的な「出会いの道」が完成しました。自由が丘商店街は、東京藝術大学の学生とともにまちの未来の姿と活性化の方向性をアート＆デザインの視点から考える「自由が丘☓東京芸大アート＆デザインプロジェクト」に取り組んでおり、その一環としてこの道路整備が行われました。

この道は商店街の中でも裏路地であり、違法駐輪の絶えない場所でしたが、アート要素のある舗装デザインを施すことで問題解決に繋げたいといった東京藝大の教授の考えから設計が始まりました。

「出会いの道」には赤と緑の不思議な幾何学模様のラインが配置されています。人々は両端からこのライン上をたどって行くと、中央付近で出会える人もいれば、出会えない人もいる。「この先で出会えれば何か良いことがある」、そんなおみくじのような遊び心のある場所として、そして「自由が丘にしかないもの」を街のあちらこちらに配置するための一歩にできればと計画されました。

使用したのは磨きのかかった表面テクスチャーが特徴的なグランパムストーン。品が良く、高級感のある自由が丘の街にふさわしいブロックです。また、雨の日には濡れたブロックが輝きを増し、遠くまではっきりと浮かび上がるラインが奥行きを感じさせてくれます。今までアスファルトの薄暗い印象であった路地が明るく清潔な雰囲気へと変化しました。

商店街からのご依頼を受け、この現場には設計提案から工事まで一貫して携わってきました。ブロックを敷設している際に、長年この路地を利用されている方からふと声を掛けられました。「ここの道はずっと暗くてねぇ…ようやくきれいになって嬉しいわ。」と言っていただけました。この工事をきっかけに、無法に置かれる駐輪路地から、人々が集う憩いの空間へと変わることを願っています。