「日本のセメント王」の足もとを強く美しく装います
神奈川県横浜市の進学校、浅野学園。創立者は太平洋セメントの創始者の一人である浅野総一郎翁です。明治・大正時代を代表する実業家であり、「日本のセメント王」、「京浜工業地帯を創った男」と呼ばれるなど近代日本の成長に大きく貢献しました。失敗を糧に何度でも立ち向かう「九転十起」の精神で数々の功績を残してきました。その中で最後の事業としたのが若き獅子達の将来に向けた教育の場である浅野学園の建設でした。
今回、その浅野学園の創立100周年記念事業として銅像山整備が行われました。銅像山に防災対策を施したうえで、銅像山前面には広場と100年リングを設置し、打越坂から銅像山へのアプローチと裏手の駐車場を作るという計画でした。弊社は広場とアプローチのインターロッキングブロック舗装を担当しました。
打越坂は部活動のランニングコースに適していて、最大17%もの勾配があります。もともと敷地内にインターロッキングブロックが敷設されていたことから、走りやすさを考慮して同様のインターロッキングブロック舗装にしたいとの要望がありました。
斜面のブロック舗装に対する設計提案としてまず非透水性のブロックで表面排水とし、目地材には硬化型目地材を使用し目地が流失しないよう工夫を施しています。そして、ブロックの移動防止策として強化版「HKS」と敷砂の移動や流出を防ぐ「ブロックサンド」を併用しました。また、ブロックの色彩はこの整備の一番の目玉であるダクタル製リングデッキの色調に合わせて、オーシャンスタンダードGH02グレーが選ばれました。単色使いですがサイズや組み方に変化を持たせ、飽きのこないようなデザインとしています。
設計提案を始めて1年程試行錯誤の末、2020年3月に本整備は無事完了しました。このプロジェクトは弊社のほかにも浅野総一郎翁とゆかりのある企業が関わってきました。生まれ変わった銅像山の山頂で、浅野総一郎翁は今日もこの国の将来を見据えています。